好きになるには理由があります

 ……まあ、そんな返事来るわけないよな、と思いながらも、そうやって送られてきた瞬間を想像し、画面を見つめて微笑んだとき、申し訳程度にノックされた扉が開いた。

 封書を手にした杵崎だった。

 忙しげに入ってきたのに、スマホを見て、にやついている自分を見た杵崎は、一瞬、表情を止めたあとで、……パタン、と扉を閉めた。

「待てっ、英孝っ」

 急ぎじゃないのかっ、と慌てて呼び止める。