「杵崎さん、杵崎さん」
と深月は廊下を歩いていた杵崎を見つけ、呼びかけた。
「コンパの話、覚えてます?」
「ああ、俺じゃなくて、メンバーにと思って、話振っといた奴が覚えてて、この間急かされたんだが。
やるのか本当に。
お前、今、忙しいだろう」
「あー、やっぱり、私は行かないかもなんですけど」
と深月が言うと、
「幹事が来ないとかあるか。
来いよ。
お前が来ないなら、俺は行かない」
と杵崎は言う。
「もしかして、よく知ってる人が居ないと心細いとか?」
と女子社員に囲まれると、居心地悪そうな顔をする杵崎を思い出しながら、
「金子さんも居ますよ」
と言ったのだが、
「……そいつはよく知りすぎていて、むしろ居ない方がいい」
と言われてしまった。



