好きになるには理由があります




 お昼休み、社食に行った深月は油断なく辺りを窺っていた。

「なんなのよ、そのスナイパーみたいな目は……」
と由紀が呆れたように言う。

「いえ、また誰かに攻撃を受けるのではないかと」
と深月は言ったが、

「してくるわけないじゃん。
 この間の惨状、みんな見てるのに」
と沙希が言う。

「でもまあ、ある程度、攻撃受けるのはしょうがないわよねえ。
 みんな我こそはと思ってたんだから」
と言う由紀に、

「我こそは?」
と深月は訊いた。

「我こそは、秘書になって玉の輿って意味よ」

「秘書になったからって、玉の輿ってわけでは。
 とりあえず、やるのはスケジュールの管理とか――」
と深月は現実的なことを語ってみたが、

「だまらっしゃい」
とみんなに言われる。