「お、深月が舞うぞ」
と休憩時間が終わった途端、おじさんたちが言い出した。
陽太は顔を上げて、舞台を見る。
今日は衣装をつけて舞ってみるらしく、祭り用の巫女装束を着た深月が扇を手に立っていた。
深月は、いつも背筋がすっとしているが、こんなときはまた特別姿勢よく感じられる。
ゆっくりと舞い始めると、普段の落ち着きのない深月とは別人のような雰囲気を醸し出す。
うーん。
こういう姿を見せられると、確かに、手を出してすみません、とみんなの前で土下座したくなるな、と陽太は思っていた。
だが、この舞は本来は小さな女の子が舞うものだ。
子どもなら清らかであれても、いい年した大人の女には無理だろうよ、と思う。
ふと気づけば、横でぼんやり杵崎も深月を見ている。
今日、連れてくるのではなかったな……と陽太は後悔していた。



