「杵崎さん、杵崎さん。
私、巫女さん、やったことありますよー」
「私もお正月、巫女さんやってますよー」
休憩時間、万理と律子が杵崎の巫女好きを聞きつけ、話しかけていた。
いや、二人とも、清ちゃん目当てにやってただけですよね……と深月は珈琲の入った紙コップを手に舞台の端に腰掛ける。
二人に言い寄られた杵崎は律子にもらった珈琲を手に、
「バイトは却下だ」
と言い放つ。
杵崎のつれない言い方がツボらしく、やだーっ、と万理と律子は仲良く盛り上がっていた。
清春を取り合っているときのような険悪さはない、レクリエーション的な感じだ。
律子が、
「でも、深月だって似たようなもんですよ~。
本業OLなんだから」
と言うと、杵崎は、
「そもそも、あいつは論外だ」
と深月をバッサリ切って捨てる。
万理たちは爆笑していた。
……楽しそうですね、私が論外で。
まあ女の友情なんて、こんなものか、と思う。
そもそも、清ちゃんを通じての友情だしな……。



