「腕をつかむなーっ」
と言われたので、離しながら、深月はいつぞや人の気配を感じた廊下の曲がり角を見て言う。
「今、誰かがこっちを見てましたよ」
「お前を物陰から見てるのは、支社長くらいのもんだろ」
と言われ、つい振り向いたが、支社長室の扉は閉まっていた。
「いや、杵崎さんを見ていたのかもしれませんよ?
あるいは、産業スパイかも……」
「産業スパイだったら、捕まえとけ」
とつれなく言って、杵崎は、さっさと秘書室に戻っていってしまった。
と言われたので、離しながら、深月はいつぞや人の気配を感じた廊下の曲がり角を見て言う。
「今、誰かがこっちを見てましたよ」
「お前を物陰から見てるのは、支社長くらいのもんだろ」
と言われ、つい振り向いたが、支社長室の扉は閉まっていた。
「いや、杵崎さんを見ていたのかもしれませんよ?
あるいは、産業スパイかも……」
「産業スパイだったら、捕まえとけ」
とつれなく言って、杵崎は、さっさと秘書室に戻っていってしまった。



