仕事が終わり、深月が自転車で神社の前を通っていたら、清春が社殿から出てくるところだった。 子連れの若夫婦が清春に礼を言っている。 「遅い時間にすみませんでした」 「いえいえ、大丈夫です。 みなさん、お仕事のご都合もあるでしょうからね」 と言ったあとで、清春はこちらを見、 「……今頃、巫女が帰ってきましたよ」 と言う。 いや……、私は普段、会社勤めなんで、別にサボってたわけじゃないんですよ、 と後ずさりしながら笑ってごまかそうとする深月を見て、若夫婦も笑っていた。