そして私の前に両手を出してハイタッチを要求するので、気分が最高潮に達していた私はその手に両手を重ねた。
「すごいじゃん、白石」
「ありがとう」
これだけ打って入ったのはたった一回。運がよかっただけだ。
それでも褒められて悪い気はしない。
ううん。それどころか最高に気持ちいい。
今まで感じたことがない高揚感に包まれる。
こんな気持ちを味わえたのは、海里くんのおかげ。
練習をやめていたら、一生知らなかった。
「あれ……」
どうしたのかな。涙があふれてきて止まらない。
「よかったな。白石はまだまだ先に進めるよ」
「先、に?」
「そう」
彼は満足そうに微笑む。
そして、ベンチからタオルをとってきて、泣き顔を隠すように頭からかけてくれた。
だから私は、しばらくうれし涙を流し続けた。



