「あるよ。毎日毎日俺の練習を見に来てくれて、応援されてるみたいですごくうれしかった。白石は、ペースはゆっくりだけど粘り強いんだよ。話すのも上手じゃないかもしれないけど、絶対に他人を傷つけるような言葉は口にしない。ペラペラ話せることよりそっちのほうがすごいと思う」
「海里くん……」
彼はいつも私の感情を揺さぶる。
こんな私でも、認めてもらえることがあるのかな。
私はたしかにコンプレックスの塊だ。
兄が亡くなってから、その気持ちは膨張している。
兄と比べてなんの能力もないことも、せっかくかばってもらったのにうまくクラスメイトと関われないことも。
私はダメな人間なんだと、いつも感じている。
それなのに……こんなふうに励ましてもらえるなんて。
「ありがとう」
涙はこらえたものの、声が震える。
すると彼は、優しく微笑んでうなずいた。
それから私は、もう一度シュート練習を始めた。



