「でも、できないなら練習のしがいがあるだろ? 俺、コーチな」
「えっ、いいよ。海里くん、練習して?」
へたっぴな私なんて放っておいていいから。貴重な練習時間を無駄にしないでほしい。
「だから、仲間が欲しいって言っただろ。今日は一本シュートを決めよう。うん」
勝手に決めた海里くんは、私にボールを持たせる。
いくら海里くんの提案でも、もうやりたくない。
〝白石順平の妹〟という目でずっと見られてきた私は、体育でバスケをやるときもできるだけボールを触らないようにしていた。
みんなにがっかりされるからだ。
海里くんにもそういう目で見られると思うと、腰が引ける。
「シュートって手で打ってるように見えるけど、下半身を使うんだ。膝を軽く曲げて」
彼は私の膝に実際に触れて曲げるように促す。
制服のスカート姿なのでかなり恥ずかしいが、それより緊張していた。



