しばらくじっと見ていると、一旦練習をやめて私に近づいてきた。
休憩かな?
「白石、やってみる?」
「えっ、私? いいよ、できないもん」
慌てて何度も手を振ったのに、彼に腕をつかまれて立たされた。
「けど先輩の試合、いつも見てたんだろ?」
「見てるのとやるのは違うって」
本当に運動オンチなんだから、勘弁して。
「スポーツって、イメージトレーニングが重要なんだ。何度も何度もスウィッシュが成功するところをイメージしていると、本当に成功確率も上がる。その点、試合や動画で勉強済みの白石は完璧」
それ以外がダメダメなの!
イメージできても体が動かないの!
「む、無理」
「身長、いくつ?」
彼は私の頭をポンポン叩いて尋ねる。
身長を聞かれているだけなのに、そんなふうに触れられるとドキッとする。
「百五十五、三」
「そっか。俺と二十五センチくらい違うな。だったらシュートを外したってしょうがない」



