「あはは。しかめっ面して。別に悪いと言ってるわけじゃない。人それぞれの時間の流れ方があって面白いなって。焦ってクラスになじめなくても、白石のペースでいいんじゃない?」
「えっ……」
今日学校でシャープペンを拾ったあと海里くんと目が合ったけど、話しかけるのを失敗したことも気づかれている?
「ま、そういうこと」
彼はニッと笑い歩みを進めた。
そっか。焦らなくても大丈夫、か。
由紀奈とはそもそも性格が違うんだし、私は私のペースでいいのか。
優しい言葉をかけられて、なんだか泣きそうだ。
ずっとひとりだったから、こうした親切がうれしくてたまらない。
「……うん」
涙をこらえて返事をすると、彼は前を向いたまま頬を緩めた。
公園に着くと、早速練習開始。
ドリブルをして体を温めたあと、レイアップとレイバックの練習を始める。
彼のシュートは相変わらず鮮やかで、少しも外さない。



