未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


「あー、それわかるかも。自分のプレーじゃないのに、『これすごいだろ』って自慢したくなることあるから」


それ、兄と一緒だ。
よく自慢げにプレーを語っていたので、『この人お兄ちゃんじゃないじゃん』って突っ込んでいた。


「海里くんも?」
「ってことは、先輩も? すごいプレー見ると血が騒ぐんだよ。自分がコートに立ってる気分になる」


そう語る海里くんは生き生きとしている。

これも兄と一緒。
勉強の話をしているときは目が死んでいたのに、バスケの話になると途端に覚醒していた。

本当に好きだという気持ちが伝わってくるというか。


こんなに熱く語るのに、どうして部活への情熱はないのだろう。

聞きたくてたまらないが、その点に関しては『その話はするな』というような無言の圧力を感じるので、尋ねられない。


やがて私たちが使う駅に到着すると、彼は私を先に降ろしてくれた。