「通学時間、暇だろ? 白石はなにやってるの?」
「私は……」
海里くんのプレー姿を思い浮かべて幸せな気分に浸っているなんて、恥ずかしくて言えない。
「ボーッとして終わり」
「もったいない。白石もこれ、インストールしろよ。いつか対戦しよう」
「負けるに決まってるでしょ?」
そう返したものの、彼と同じ趣味ができるなんてうれしいかも。
友達って、こうやって仲良くなっていくのかな。
私にとっては初めての経験で、ちょっぴり気分が高揚する。
「そのうちうまくなるって。白石、いつもバスケの動画見てるよね。ルールとか完璧? スクリーナーの存在も知ってたみたいだけど」
「うん、一応。自分は全然できないんだけど、お兄ちゃんの試合にいつも行ってたから覚えたの。あとは、お兄ちゃんにしつこくプロの人たちの動画も見せられたし」
あんなに兄のことを口にするのがつらかったのに、すらすらと出てくる。
しかも、嫌な気分でもない。



