「えっ、ちょっ……。わっ、嘘っ……」
一番簡単なレベルにしてくれたはずなのに、なすすべもなくあっという間に四対〇。
「頑張れよ」
「そんなこと言ったって!」
操作方法もよくわからないんだから。
私はいつの間にか必死になっていた。
「よし。シュート!」
海里くんの掛け声でタップすると、なんとランニングシュートが成功してようやく二点。
でもそこで試合終了。
結局、二十二対二というなかなかの惨敗ぶり。
「これ、難しい……」
「そんなことないぞ」
今度は海里くんがレベルを上げて始めた。
すると、いきなりスリーポイントシュートを打ち、連続でランニングシュートも決めている。
「あれ……」
彼がやると全然難しそうじゃない。
あっという間に点差は開き、十七対四で勝利した。
「どうよ?」
「海里くんって、なんでもできるんだね」
「いや。バスケだけ」
彼はクスッと笑ってスマホをカバンに放り込む。



