「ごめん」
「またすぐ謝る。言っとくけど、悪口じゃないから。話してると楽しいってこと」
そう、なの? 楽しい、の?
まさかの発言が飛び出して、目を丸くする。
「迷惑じゃないなら、一緒に帰るか。こっち方向に友達がいなくて、いつもゲームやってるんだよね」
彼はスマホを取り出して私に見せる。
「なんのゲーム?」
「興味ある?」
コクンとうなずくと、彼は指紋を認証させてロックを解除し、ゲームを立ち上げた。
「あれっ、バスケ?」
「そ。コンピューターとか今プレーしている誰かとワンオンワンができるんだ。ほら、こうやって、ランニングシュートもできる」
彼は器用に操作してあっという間にシュートを決める。
ゲームの中まで強い。
「やってみる?」
「私、ゲーム得意じゃなくて」
「いいから、やってみなよ」
よく考えたら私の得意なことってなんだろう。
そんなことを思っているうちに、ゲームがスタートしていた。



