未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


駆け込み乗車してきた彼は、私を見つけて隣に座る。


「同じ駅だもんな。いつも一緒に帰ればよかったな」


そんなにあっさりと言われても困る。

バスケをやっている彼なら何時間でも見ていられるが、こうしてふたりで話していると、心臓がドキドキして呼吸が苦しくなる。

やっと由紀奈とは緊張せずに話せるようになったところなくらいで、兄以外の男の子と会話をまともに交わしたことがなかったのだから、こうもなるでしょ?


「……う、うん」
「あっ、ごめん。迷惑だったな」
「違うよ!」


迷惑なわけがない。

驚きすぎて大きな声が出てしまったので慌てて口を押さえると、海里くんがクスクス笑っている。


「白石って、面白いよね」
「面白い? どの辺が?」
「その辺」


彼は笑いが止まらないようで、ずっと肩を揺らしている。

『根暗』とか『地味子』と言われたことはあるけれど『面白い』は初めてだ。