並木高校にバスケ部がないことを知っていて入学したようだし、最初からやる気はないのだろう。
でも、それならどうして毎日練習しているの?
「梢、どうかした?」
「あっ、ううん。そうだよね」
考え事をしていて、食べる手が止まっていた。
私は変に思われないように笑顔を作ってから、ミートボールを口に放り込んだ。
その日も学校が終わるとすぐに公園に足を向ける。
駅までいつも一緒に帰る由紀奈は、今日はバレー部の見学をするらしく学校で別れた。
もちろん、足立くんも一緒だ。
『早く付き合えばいいのに』
なんて心の中でつぶやいたものの、本人たちにはもちろん言えない。
ひとり寂しくの帰宅だったが、海里くんにまた会えるというワクワク感で満たされていた。
「白石」
「あ……。海里くん」
私が使う路線は、五分に一本くらい電車が走る。
だから同じ方向に帰るとはいえ、海里くんと同じ電車の同じ車両に乗り合わせたのは初めてだった。



