未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


今日も、たまたま落ちていたシャープペンを持ち主の女子に返すために話しかけようとしたがどうしてもできなくて、こっそり机に置いておいた。

これでいいのだろうか。
助けてもらってばかりで、自分からは行動できない。

私は由紀奈のように積極的になれない自分に少し焦りを感じていた。


お弁当はいつも由紀奈と一緒に。
ふたりで弁当箱を広げると、彼女が口を開く。


「梢、部活入る?」


由紀奈は先日配られた部活一覧を手にしていた。


「私は帰宅部でいいかな」


海里くんの練習を見たいし、実は相当運動オンチ。
兄がすごい選手だったので妹もなんて期待されることも多かったけれど、なんの競技もできない。

かといって、文化系の部活に興味があるというわけでもない。


「そっかぁ」
「由紀奈はバレーだよね」
「そうだね。インターハイ目指したいんだ」


彼女は卵焼きを口に放り込んで、笑顔を作る。