でも、本人が拒否しているのに私が無理に勧めることもできないし……。
他に就きたい職業があるのかもしれないし。
でも海里くんと一緒にいると、兄の輝いていた姿がどんどんよみがえってくる。
事故のショックで記憶の奥のほうに潜ってしまっていたが、バスケをやっているときの兄はいつも笑顔だった。
私は海里くんが何本もゴールを決める様子を見ながら、そんなことをずっと考えていた。
翌日からは、安藤さんの嫌がらせも少し収まった。
というのも由紀奈がいつも近くにいるからだ。
彼女は私とは違い、いい意味でさばさばした女の子。
嫌なことは嫌とはっきり言うし、自分の意見もはっきり主張できる。
私もそんなふうにならなくてはと思いつつ、ずっとひとりで過ごしてきたので、他のクラスメイトとどう関わっていいのかいまいちわからない。
それに、自分から話しかける勇気もない。



