未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


海里くんが動画を止めると、同じようにスマホの画面をのぞき込んでいた彼と数センチの距離まで近づいていることに気がついて、慌てて体を引く。

動画を見ている間はなんでもなかったのに、ちょっとそれを意識したら途端に心臓がバクバクと音を立て始めた。


「サンキュ」
「うん」


私にスマホを返した海里くんは、早速ボールをつき始める。


「今日さ」
「ん?」


ウォーミングアップなのか、軽くドリブルをしている彼が口を開いた。


「大野さんといい感じで話してたね」
「うん。友達になれたみたい」
「よかったじゃん」


彼はそう言うと、いきなり走りだして見事なシュートを決めてみせる。

それが、私への祝福のゴールのように感じたのは、思いあがりかな。


海里くんはそれから黙々と練習に励みだした。

小さなドリブルで素早い動き。
ボールを相手にとられないように、それでいてディフェンスをかわしながら一気にゴールへ。


ひとりでやっているのに、そんな光景が目に浮かぶ。