顔見知りになってから、遠くからこっそりではなく、ベンチに座らせてもらっている。
海里くんが「立ってると疲れるだろ?」と勧めてくれたのだ。
彼が来るまでの間、スマホでバスケの動画見ていようとサイトを開いた。
このサイトは兄がプレーの研究のために使っていて、よく私も一緒に見せられていた。
動画の中で走り回っているのはプロリーグの選手たち。右に左にディフェンスをかわして、華麗にランニングシュートを決める様子は、いつ見てもうっとりする。
「なーに見てんだ?」
「あっ」
目の前からスマホが消えて、ハッとした。海里くんだ。
彼は学校から離れたほうがよく話してくれる。
それに口下手な私も、共通の好きなものがあるという仲間意識なのか、親切にしてもらえたからか、海里くんとは話しやすい。



