「はっきり告白されたわけじゃないけど、ふたりで遊びに行ったりはするかな」
それは時間の問題だ。
「今度、どの人か教えて」
「了解」
こうやって日常のちょっとしたことを話せる相手がいるのって、楽しいんだ。
あの事故の前まではこういう時間もあったはずなのに、楽しい記憶がごっそり抜けている。
多分、兄の死の衝撃が大きすぎたせいだ。
お弁当のあとトイレに立つと、廊下で海里くんとすれ違った。
「さっきはありがとう」
「おう」
たったそれだけ。
素っけない気もするけれど、お礼が言えてよかった。
それに、迷惑ならあの場面で口を挟んだりしないと信じて、小さく頭を下げてから立ち去った。
学校帰りは公園に向かう。
もちろん、海里くんのバスケを見学するためだ。
私の予想通り隣の中学出身の彼は、一旦家に帰って着替えてからやってくる。
だから、最近は学校から直行する私のほうが先についていることが多い。



