「二村くん、すごい人気だって知ってる? もうファンクラブがあるんだってさ。だから、優しくされる白石さんのことがうらやましいんだよ。嫉妬ってやつ」
嫉妬なんて、まさか。
大勢の前で注意されたことが気にくわないんだとばかり思っていたのに。
たしかに海里くんはかっこいいし、他のクラスの女子が時々彼を見に来ているのは知っている。
でも、バスケが好きという共通点はあれど、特に親しいというわけでもないのに。
って、今も助けてくれたか。
私はクスッと笑う大野さんに曖昧にうなずいておいた。
それから彼女とは仲良くなり、お弁当にも誘われた。
「ね、梢って呼んでもいい? 私は由紀奈でOK」
「うん」
べらぼうに明るい彼女が、どちらかというと暗い私にかまうのが不思議でたまらないけれど、ずっと友達という存在がいなかったので顔がにやけるほどうれしい。
「ねーねー、ここだけの話だけど」
「なに?」
唐揚げを食べ終わった彼女が私に顔を近づけてくる。



