未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


「も、持ってないの!」
「へー」
「あっ、ちょっ……」


安藤さんが慌てだしたのは、海里くんが彼女の机の中の物を出し始めたからだ。


「安藤って、白石梢って名前なんだ」


海里くんは私のノートをすぐに見つけて、彼女の顔の前につきだす。


「ち、違うわよ。たまたま交ざっただけでしょ?」


真っ赤な顔をしている安藤さんは、私を一瞥して教室を出ていった。


「ほら」
「ありがとう」


海里くんにノートを渡されてお礼を口にすると、彼は素知らぬ顔をして自分の席に戻っていった。


「大野さんも、ありがとう」
「ううん。実は安藤さんたちの態度にずっとムカついてたのよね。だから二村くんがギャフンと言わせてくれてすっきり」


彼女はニッと笑う。


「けどさ」


大野さんが私を手招きするので、彼女に顔を近づけると、耳に手をかざされる。
なんだろう。