未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


スマホを見ながら運転していたトラックの運転手が全面的に悪かったことはわかっている。
けれど、どうしても自分を責めてしまう。

でも……。


「この顔が、いいよね」


何枚も写っている兄の笑顔を見てつぶやく。

思い出すなら、最期の瞬間じゃなくてこの輝いている笑顔がいいよね。


兄が私の代わりに犠牲になったことを忘れてはいけないと、心のどこかで思っていた。
だからか、私の脳内で再生されるのは息絶える寸前の姿。

でも本当の兄はこっちだ。


「お兄ちゃん。私、生きていてもいいのかな?」


ずっと言えなかったひと言を初めて口にした。

心の中でそんな思いがモヤモヤしていたのに、今まで両親にも言えなかった。

兄を失って悲しみのどん底にいるふたりをさらに苦しめるようなことはできなかったのだ。


あふれてきて止まらない涙を何度も手で拭う。
それでも拭いきれなくて、アルバムにポタポタ垂れていく。