こんな写真でもこうしてきちんと現像して残してあるのは、兄の最後の姿だからだと思う。
写真は相当数あった。
プレー中ははっきり写っていないものも多かったが、ハーフタイム中の真剣な表情はばっちり写っている。
「お兄ちゃん……」
当然だけど、そこにいる兄は血だらけではない。
家ではふざけることも多かったが、バスケの試合中は常に真剣。
ミスをしたチームメイトを励ましたり、『俺が取り返してやる』なんて宣言したり。
朝が弱いせいで寝ぐせのひどい髪のまま、ボーッとトーストをかじっていた人と同一人物とは思えないかっこよさだった。
「ごめん。ごめんね」
写真の中の兄を指で撫でながら謝罪を繰り返す。
こんなに輝いていたのに。未来は明るかったのに。
あの日、私が試合を見に行かなかったら、私が先にトラックに気づいて兄をかばったら……事故の犠牲にならなかったかもしれない。
そう何度考えたことか。



