未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


「梢、無理に見なくてもいいんだよ」
「ううん。見たいの。お兄ちゃん、かっこよかったもん」


兄は私の自慢だった。
それなのに、最後の悲惨な姿ばかり思い出してしまうのはすごく残念な気がする。

兄だって、『どうせ思い出すならかっこよくシュートを決めてる姿にしてくれ』と天国で言っているんじゃないかな。


海里くんがバスケをしている姿を見ていると、兄の姿が重なる。

兄は身長が百八十センチなく、チームの中でも決して大きくはなかった。

けれど、俊敏さとボールの扱いのうまさは群を抜いていて、海里くんとプレースタイルが似ている。


兄との楽しい思い出ばかりが浮かんでくるのは、そのせいかもしれない。


私は母からアルバムを預かり、再び自分の部屋に戻った。
そしてベッドの上に寝そべり、それを開く。


「ボケボケだ」

これ、私が撮った写真だ。

いきなり一枚目から兄の顔がぶれている。
まあ激しく動いているから仕方ないけど。