未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


趣味で楽しんでいるだけなら、あんなに真剣にやったりしない。
しかも毎日。


「でも……」


それ以上なにも言えなくなったのは、彼が目を伏せたから。

なにか訳があるのかもしれない。

私が兄のことに安易に触れてほしくないように、海里くんにだって他人に踏み込まれたくないことがあるのかも。


ふとそんなふうに思った私は、追及するのをやめた。



その日、家に帰った私は、久しぶりに本棚からアルバムを取り出した。


開けなくなっていたアルバムは、生まれたばかりの私を覗き込む兄の写真から始まっている。

五冊目の最初は、中学のバスケの地区大会で優勝して、応援に行っていた私とピースサインで収まったツーショット。

私は応援していただけなのにすごいドヤ顔で写っていると、あとで突っ込まれた写真だ。


「順平コール、すごかったよね」


あの時の声援は、今でも忘れられない。
会場の人が一体となって『順平、ナイスシュート!』と声をそろえた。