「続きやりましょう」
「おぉ。お前に負けっぱなしは悔しいから、本気で行くぞ」


今度は別の男の人が海里くんに返事をすると、すぐにボールが回りだした。


最初は一番背が高く体もがっちりしている人がかなり遠くからシュートを決め、それを防げなかった海里くんは悔しそうな表情を見せる。

けれど、一度海里くんがボールを持ったら最後。
どの人も彼を止められない。

右に左にディフェンスの選手を揺さぶり、それでも突破できないとわかると、今度は相手の足の間にボールをバウンドさせ、その間に自分はその人の背中側に回りボールをキャッチ。

そして再びドリブルをして華麗にシュートを決める。


気がつけば、小さく拍手を送っていた。
だって、あまりにも鮮やかだったから。

他の五人は大きいのに、海里くんに遊ばれているかのようだ。

しかも、五人が下手なわけじゃない。
おそらくバスケをずっとやってきたような人たちだと思う。