未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


そっか。自分がタオルでごしごししているのと同じ感覚だったんだ。

なんだかおかしくなってプッと噴き出す。


今なら、聞けるかも。


「この高校にバスケ部ないの知ってた?」


思いきって切り出すと、彼の目がキョロッと動く。


「まあ……」
「いいの? あんなにうまいのに。お兄ちゃんが注目される選手だったのは知ってるけど、海里くんはそれ以上だよ」


興奮気味にそう伝えると、彼はキョトンとしている。

あっ、勢い余って『海里くん』なんてなれなれしい呼び方しちゃった。

そもそも、名簿を見るまで苗字を知らず、私の中ではずっと『海里くん』だった。
でも、彼はびっくりだよね。


「ごめんなさい。二村くん……」


慌てて訂正すると、彼は白い歯を見せる。


「やっぱ、趣味なんだな」
「ん?」
「また謝ってる。いいよ、海里で」


彼は優しい笑みを見せる。