未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて。


彼はほんの少し口角を上げたものの、そのあとは真顔に戻りそれきりなにも言わない。

気まずくなってうつむいていると、彼が突然寝転んだのでひどく驚く。


「今日、温かいな」
「う、うん」
「白石も来る?」


来るって、隣で寝そべろと?

いきなりの提案に突っ立っていると、彼は自分の隣をポンポンと叩く。
やっぱりそうみたいだ。

私はちょっと緊張しながら、彼と同じように寝そべった。


「ホントだ。温かい」
「うん」


降り注ぐ太陽の光は、想像以上に熱を持っている。

彼は短い返事したあと、空を流れていく雲を目で追っている。

私も同じようにしていたが、安藤さんの発言に動揺しているのか感情がうまくコントロールできない。


「私じゃなくて……」
「ん?」
「お兄ちゃんが生き残ればよかったよね。なんの取柄もない私じゃなくて」


わざと笑って話す。

こんな重い話、きっと聞きたくないよね。