「あの、親衛隊を持ってらっしゃる方…?」
 「いないけど?あれ、結構有名な話なんだけどなー?噂とか鈍いほう?」
 「え…、あぁいえ、最近やってきた転校生なもので」



 そう言うと、納得したような顔をして頷いた。


 この美人さん、よくよく見なくてもバリバリのイケメンさんだ。


 睫毛が長いし多いし、綺麗な一重の瞳は吸い込まれそうなほど深い色をしている。


 こんな美術品みたいな人いるんだな。



 「俺、日高壮馬(ひだかそうま)って言うんだ。ふ……、藤田(ふじた)くんの友達でね」



 妙な間隔を開けて、日高さんはいらない情報まで教えてくれた。


 藤田くんって誰だろう?この世界では、イケメンな人にはイケメンが集まるという法則があるらしいし、藤田という人もイケメンな可能性が高いかもしれない。


 用事が終わったら、三人に聞いてみようかな。