「亜沙美!!」

昼休み、お弁当を片手に亜沙美に詰め寄る。

亜沙美は黒い笑みを浮かべると、
「晒名くん、葵と一緒にお昼たべる?」

と席でお弁当をひらきかけた晒名に声をかけた。

「おっ!行くい…」
立ち上がりかけた晒名の元に数人の男子が集まった。

「晒名、俺たちと一緒に食おうぜ。」

「そうそう、河野さんは放課後でいいだろ?」

「あんまぐいぐいいきすぎると、河野さんにひかれるぞ?
ってか、既に引かれてんじゃね(笑)?」

コクコクうなずく私に、晒名は眉間にシワをよせたが、ふぅとため息をつくと

「クラスメートとの交流も必要だよな。
というわけで葵、残念かもしれないけど放課後ゆっくりデートだから!」

「ちっとも残念じゃないしデートもないからぁぁ!!」

ふっと微笑まれ、イケメンスマイルにやられた亜沙美と美緒のきゃーという叫び声に私の声はかき消された。