エレベーターで下までおりると、康さんが待っててくれた。


「乗ってください」



康さんの車に乗って、学校に行った。




学校はぎりぎり遅刻しなかった……けど……詩優が今どうしてるのかすごく気になる…



朝のホームルームが終わると、



「花莉、ちょっと来て」



と京子に言われた。



連れてこられたのは女子トイレ



…どうしたんだろ



「それ、詩優につけられたの?」



"詩優"という名前を聞いただけでドキン!と大きく心臓が跳ねた。



……それ?



私が首を傾げると、「首筋」と言って京子は指をさす。



…首筋?



トイレの鏡で見てみると……



首筋が一点だけ赤くなっている………



………あの時少し痛かったのって…



今朝のことを思い出す。



「まったくあの総長は……独占欲丸出しね」



と京子が呟いて、ポーチから何かを取り出した。



「キスマークくらいなら化粧品で隠せるのよ」



……キスマーク…



京子は私の首筋にファンデーション、その上にコンシーラーを塗ってくれた。



鏡で確認すると、もう赤く見えなかった。




「…ありがとう、京子」