それから1時間半後、到着したのはなんと『HEARTS HOTEL』というところ。『HEARTS HOTEL』は超高級ホテルで、以前テレビで紹介されているのを見たことがある。




ホテルの外装からしてすごく綺麗で、高級感溢れている。またしても一般市民が来れないようなところに来てしまった。




……な、な、何でここに…?




「ここからは俺の腕にくっついてて。絶対離すなよ?」



リムジンをおりるまえに詩優はそんなことを言う。そういえば来る前も



"会場に着いたら俺にくっついてて"




と言っていた。




その会場というのがこの『HEARTS HOTEL』なのだろうか。




詩優はリムジンをおりて、私に手を差し伸べる。その手をとって私はリムジンをおりた。




私は言われた通り詩優の左腕に抱きつくようにくっついた。




「俺といれば安全だから」




離れれば危険だというような言い方。いったいここで何があるのだろうか……




そのまま歩き出す。いつもよりゆっくり歩く詩優。多分ピンヒールで歩きづらい私を気づかってくれているのだろう。




詩優の優しさが感じられて胸の奥が熱くなる。





…ピンヒールとか初めて履いたからいつか転びそうだけど……