屋上へ行くと聞き慣れた声がした。

「ミナ。目、閉じて」

「ここは学校だろう。そんなことは出来ん」

「まあまあ。じゃ、帰ったらね」

「………分かった」

今のってサキと鞍田くんだよね。

目閉じてって言ってたし、まさかキスしようとしてたの!?

で、ミナは拒むことはしなかったよね。

嘘でしょ。

そんな、ミナに限ってそんな………。

「じゃあ、僕は行くね」

「ああ」

ミナの表情は切なくてクールビューティーって感じだった。

こんなにも乙女になっちゃうんだ。

鞍田くんが行ったのを確認して私はミナの前に出ていった。