家で姉ちゃんが帰ってくるのを待った。

しばらくして玄関のドアが開く音がした。

家に響くヒールの音………

間違いない!姉ちゃんだ!

「姉ちゃん!」

「ヒナ、何~?」

姉ちゃんは俺のことをヒナと呼ぶ。

その呼び方は嫌だから注意しても全然直してくれない。

「クリスマスってどうすんの?」

「今年はマナトの家に行く」

マナト………つまり彼氏の家に行くらしい。

「もしかして、彼女出来た?」

「…………は!?」

「ははーん。やっぱりね」

ニヤニヤしてくる。

「相手はどんな子?」

「絶対言わねぇ」

どうせ、からかわれるだけだし。

「ふーん。あっそ」