「外に出よう」





「あの~。あの~」





雨澤は、色々な人に声をかけたが、皆、全く反応しない。





「アレ?皆、お前に全く気づいてない!?」

「そうだよ。皆、俺の姿が見えないし、声も聞こえないんだ」

「マジかよ!!!」

「どうだ?これで信じてくれたか?」

「あぁ・・・けど、どうして、他の人達に見えないお前が

俺には見えるんだ?」

「さぁ?それも、分からない」

「ん~・・・それに、俺は、今まで幽霊なんて、見た事が

ないんだ。なのに、何で?」

「いや、幽霊だって、人間の姿をしてるんだ。どれが生きた人間でどれが幽霊かなんて、今みたいに確かめないと

分かんないモンさ」

「そうか。確かにそう言われてみればそうかもな。じゃあ、俺は、霊感を持ってて、これまでにも色んな幽霊を見た事があって、それが全部、〝幽霊だと知らないでいた〟って事か?」

「多分な。俺も、良く分からないけど」