地元の企業家でゲーム会社を立ち上げた人は、たった1人しかいなかった。


会社はまだまだ小さいようだけれど、美世が達治を見かけたあの駅の近くに会社があるようだ。


そこまでわかれば、あとはその場へ行くだけだった。


4人で駅の近くまで行くと、スマホで調べたとおりのビルが建っていた。


4階建てでそれほど大きくはないが、まだまだ綺麗なビルだ。


入口には西野ゲームスと言う文字が書かれている。


ここで間違いなさそうだ。


入口に警備員の姿もなく誰でも入れるようになっている。


監視カメラが1台設置してあったけれど、構わなかった。


「達治本人がいなくても、達治の両親に話を聞けばきっとなにかわかるよね」


あたしがそう言うと「うん」と、美世が大きくうなづいた。