「……狡賢いって思われても…それだけ本気なんだから、仕方ないじゃない…」
今までのデータなんかじゃ分析できないあたしに、もっと興味を持って?
あたしが貴方に興味を持ったと同じくらい…それ以上の深さで。
そしたら、貴方に気付かれないくらいのスピードで。
全てを愛情に摩り替えて…そのまま厚く塗り替えてしまうから。
この恋は、きっと相手に気持ちを悟られた時点でゲームオーバー。
別に、生半可な遊び心で…貴方を落とそうなんて思ってないけど。
貴方を好きな気持ちは、もう…。
自分でもコントロール出来ないほどに膨らんでいる、から。
表面上は、興味の無いフリをとことん続けて。
胸に秘めた想いは何処までも加速していく…。
「寛人が好き、だよ…」
声にならない想いを、ほんの少しだけ視線に詰めて。
冷静な貴方の、心を掻き乱してしまいたい。
気のあるフリと、気のないフリ。
純情ぶったり、悪女ぶったり…。
色んなあたしを惜しみなく曝け出してあげるから。
どうか、あたしの…。
この思い上がりにも似た罠に、落ちてよ。



