その…あたしの投げつける容赦ない視線は…。
傍から見たら、十分嫌悪の眼差しに取れるに違いない。
それくらい、必要以上に冷めた視線を、自分でも意識して投げているのだから。
けれど、はっきり言ってしまえば、あたしは寛人が好きだ。
何処が好きって聞かれたら、即座に答えると思う…「全部」だと。
『一体、オレの何処を見て、全部なんて言うんだ？』
きっと、寛人がこの答えを聞いたとしたら、絶対にそうやって聞いてくるだろう。
でも、あたしはその時こそきっぱりと言えると思う。
『頭で理由が追いつかないくらい、次から次へと真新しい寛人を見つけて。その度にもっと寛人を好きになるから、…全部なんだよ』
と。
