「…もっと、ちゃんと降参してよ…永井からの言葉がもっと欲しい。永井が、欲しいんだ…」
「…よく、ばりっ!……なんでいきなりこうなるのよっ!」
「…永井が好きだよ。…もう、余計な我慢はしないって決めたんだ」
「………っ?!」
「……いいだろ?」
卒倒するほど甘い言葉を、淡々と紡いでく寛人の顔は、嬉しそうでとても楽しそうで…。
テニスをしたり、データを取っている彼とは…もう…比べられないほど、格好よくて。
そんな風に思ってしまう自分を、精一杯叱咤しつつも。
あたしは、暴れるのを止めて、目の前の温もりを抱き締め返した。



