この恋に。 勝利の女神は微笑むの? そう祈った……。 「……?!」 「あたし、寛人が…好きだよ」 「…永井、ほんとか、それ…。……参ったな……」 心底驚いたっていう顔をして。 確認するようにあたしの名前を呼ぶ寛人に、心の中で「あぁ、終わったな」なんて、思った。 好き過ぎて、これ以上自分に嘘なんてつけなくて…。 結局、明け渡してしまった…最後の砦。 だけど、案外あたしの気持ちは冷静で。 驚くほど…淡々とあたしを凝視している寛人に告げた。