ぶつかった視線は、相変わらずブ厚いレンズに阻まれて、そんな色をしているのか分からなかったけど。
その声が、凄く胸に響いてきたから…あたしは瞳を逸らさずに、寛人の顔を見つめ続けた。
「…じゃあ、確率は?」
「え…?」
「その人が、あたしの言葉を待ってる確率」
「それは………オレが思うに、100%じゃ…」
「好きだよ、寛人」
きっかけなんて、ほんの些細なことでよくって。
1ミリでもいいから、背中を押して貰えたら…。
案外、思い悩んでいたことが馬鹿みたいに、すぐ踏み出せてしまうのかもしれない。
その証拠に、あたしは寛人の言葉を遮って。
気付いたら、ぽろりと音がするんじゃないかってくらい自然と気持ちが零れていたから。



