「…別に、これと言って用があるわけじゃないんだけど……いや……用事ならあるな。…ほら、さっきのノート…」 それは、毎回のことだけれど…。 寛人からの質問に答えて、あたしが更に質問をすると、寛人は普段のデータがどうこうっていうのを感じさせないほど、 不器用に、そして慎重に言葉を選び始める。 その瞬間が一番好きだと、今この状態で。 素直な気持ちを伝えられたら…どんなにいいだろう。