【短】雨宮さん家の大型犬


「…ほんと、あこちゃんのこと、好きになってよかった……」

「しーちゃん…」

「あこちゃんが、好きだよ」

「ふふふ。今更?」

「うん。何回も言うよ。好きで好きで堪んない。どうしよう…病院行った方がいいのかな…、好き過ぎて、心臓痛くて仕方ないんだ…」

そんな風に言うと、静人は私の耳に自分の胸の音を聞かせてくる。


とくん、とくん


いつもより、早い鼓動。
私はそこに頬を寄せて、ニヤける顔を隠し切れない。


「私って、実はしーちゃんに愛されてる?」

「あ、愛してなきゃ、こんな風にはなんないよ?!」

「もー…しーちゃん、好き」

「なんか…最近あこちゃん、デレ期なの??」


わしゃわしゃと髪を撫でていたら、じっと見つめられた。


「なんで?」

「最近いっぱい好きって言ってくれるから」


その一言に、かぁーっと頬が熱くなった。


…無意識って怖い…。


そんな私の慌てぶりに、くすりと笑って静人はちゅっと頬へキスをしてきた。


「…っ!しーちゃん!ここ、外!」

「じゃ、早く帰ろ?」


口元を緩ませながら、静人は前を向いた。