「…………」
互いに会話もろくにない、帰り道。
まだ、怒ってるのかな?と、ちらりと静人の方を見ると、今にも泣きそうな静人の顔があって、私は驚く。
「し、しーちゃん?」
「…ごめんね?あこちゃん…」
「え…?」
「俺のせいで、結局傷付けた……」
ぎゅーっと繋いでいた手に力が入って、静人はごめん、を繰り返し繰り返し呟く。
「…しーちゃん?」
「…なに?……もう、やになった?俺のこと嫌いになっちゃった?」
本当にどんどん震えていく声。
静人の悲しみと焦りが私にも伝わってくる。
だから、私は繋いでいた手にもう一方の手を合わせて、ぴたり、とその場に立ち止まった。
「…あこちゃん…?」
「誰が誰を嫌いになったって?」
「え……」
にっこりと微笑んで、私はゆっくりと背伸びをする。
そして、静人の口の端に掠めるようなキスを落としてから、しっかりとした口調で告げた。
「たかが幼馴染?恋人ごっこ?…笑わせんなって感じ。私がこんなにしーちゃんのことを好きってこと、今ここで大声で叫んでもいいよ?私、そんなことで傷付くほど、弱くない。それに、しーちゃんのこと信じてるからって、うわっ」
一世一代の告白というくらい、力強く話していたら、途中で静人に抱き寄せられた。
それはそれは、優しく穏やかに、包み込んでくれるような、柔らかさで……。



