「たかが、幼馴染ってだけで、恋人ごっこなんて、今時流行らないよ。ねーぇ?静人くん、私にしなよ?」
完全に開き直ったような、悪びれない態度。
よほど自分に自信があるらしく、自分に背を向けた静人に自ら距離を詰めて、猫なで声でそんなセリフを口にした。
がたんっ
その言葉を聞いた静人が、私でも今まで見たことない、怖い顔をして彼女を睨み付けた。
まるで、その心底冷たい視線で彼女のことを焼き尽くすように。
そして、地を這うような低い低い声で……。
「…今、なんて言った?」
「…え…」
「たかが…なんだって?」
「…っ…えっと……その…」
あまりの迫力に、さっきまでの余裕さが彼女から一気に飛んだ。
「あんたに、何が分かんの?俺には彩恋しかいない。たかが幼馴染だから?そんなの関係ないよ。幼馴染じゃなくても、全く他人でも、俺は必ず彩恋のこと見つけて好きになってるし…それをそれこそ"他人"のあんたに、とやかく言われる筋合いはない。帰ろ。あこちゃん」
「う、うん…」
静人は、壊れ物を触るかのように、私背中に触れて、そのまま自分の方に引き寄せた。



