【短】雨宮さん家の大型犬


ぱたんっ


ぎゅうっ


家に帰るなり、ドアをほんの少しだけ乱暴に後から抱き締められる。
ふわり、と香る同じシャンプーの匂いが、胸をきゅうんと高鳴らせた。


「あこちゃん、かわい…」

「もー…甘えたさんだなぁ、しーちゃんは」

「かわいいあこちゃんが悪いの!」

「はいはい」


抱き締められる手に、私もゆっくりと手を置いて、くるりん、と静人の胸の中で方向転換をする。


「ほんとに、しーちゃんておばか」

「ええっ?!な、なんで…?」

「こんなに好きにさせるからだよー!えーい!このこの!」


照れ臭くて、気恥ずかしくて、冗談交じりにそう言ってから、静人の腕の辺りをぽかすかと叩くと、それわやんわりと止めて静人は言う。


「それはあこちゃんの方でしょー?もうね、俺こーーんな小さい頃から…あこちゃんのこと大好きなんだからね!」


えっへん!と胸を張る静人が手をこーんな、とジェスチャーしたのは、赤ちゃんくらい小さい。


「そんな小さい頃からなわけないじゃん」

くすくすと笑うと、むーっと口を結んだ静人がおもむろに、私の頬にキスをする。


「ひゃっ!なに?!」

「こうやって、隣にいるあこちゃんのほっぺにちゅーしたの、俺は覚えてるよ?」

「ば、ばか…恥ずかしいじゃん…」